起業後の会計処理の選択肢
個人事業主の中には将来的に法人化を検討している方が多いと思います。今回は法人化する際に適した法人の形態に関して、代表的な法人形態である株式会社と合同会社について、それぞれの特徴とメリット・デメリットを比較し、ご自身に合った法人形態を選ぶためのヒントを記します。
税理士法人に依頼する場合
メリット
・専門知識と経験
税務や会計に関する最新の法令・規制を熟知しており、正確かつ効率的な処理が可能です。
・安心感・信頼性
会計処理のミスや漏れを防止し、万が一の監査対応にもスムーズに対応できます。
・業務負担の軽減
経営者自身が会計処理に割く時間を、事業戦略や営業活動に充てることができます。
デメリット
・コスト負担
税理士法人に依頼する場合、毎月または年単位の報酬が発生し、初期費用や継続費用がかかります。
・コミュニケーションの手間
依頼内容や資料の提出方法、報告内容の確認など、外部との連携に時間を要する場合があります。
会計ソフトを利用して自分で行う場合
メリット
・コストの節約
ソフトの利用料は税理士への依頼費用に比べて低価格な場合が多く、初期費用も抑えられる可能性があります。
・リアルタイム管理
取引データが入力されるとすぐに財務状況が反映されるため、経営判断に活用しやすいです。
・操作性と自動化
最近の会計ソフトは自動仕訳機能やレポート作成機能が充実しており、初心者でも扱いやすくなっています。
デメリット
・業務負担の増加
会計処理の全てを自分で管理する場合、日常業務以外にデータ入力やチェックなどの作業が発生し、経営者の時間が圧迫されることもあります。
・専門知識の不足リスク
ソフト自体は使いやすくても、税務上の判断や法令遵守のための知識が不足していると誤った処理につながる可能性があります。
・システムトラブルの可能性
ソフトウェアの不具合やデータのバックアップ・セキュリティ対策を自社で管理する必要があるため、トラブル時の対応が求められます。

比較図表
下記の図表は、税理士法人に依頼する場合と会計ソフトを利用して自分で行う場合の主なメリットとデメリットを視覚的に比較したものです。
項目 | 税理士法人に依頼 | 会計ソフト自主管理 |
コスト | 高め(報酬・手数料が発生) | 低コスト(ソフト利用料のみの場合が多い) |
専門性 | 高い(税務・会計のプロが対応) | 自己学習が必要。専門知識がないと誤入力の恐れ |
作業負担 | 軽減(専門家が担当するため経営者は他業務に専念可能) | 重い(経営者自身が日々の処理を行う) |
リアルタイム性 | 報告が遅れる可能性がある(報告書作成に時間がかかる) | 高い(即時反映で経営判断に活用可能) |
リスク管理 | 監査対応や税務調査にも対応可能 | 自社内でのリスク管理が求められる |
まとめ
税理士法人に依頼する場合
安心・信頼性の高い会計処理を求めるなら、専門家に任せる選択が有効です。特に法令遵守や監査対応などの面で強みがありますが、費用面での負担が大きい点に注意が必要です。
会計ソフトを利用して自分で行う場合
コスト削減やリアルタイムの経営情報把握を重視する場合には、会計ソフトが有力なツールです。ただし、一定の会計知識や運用リスクへの対策が必要となるため、運用前の検討が重要です。
各企業の事業規模や経営資源、また将来的な成長戦略に合わせて、最適な会計処理方法を選ぶことが成功の鍵となります。
この記事を書いた人

ビズシー 太郎
Biz-Cのコンテンツ編集長。起業や新規事業立ち上げに携わり30年以上の経験を持つマーケティングのプロフェッショナル。市場調査から戦略立案、実行支援まで一貫して手がけ、数多くの起業家や企業の成長をサポートしてきた。豊富な知識と実践的なノウハウを惜しみなく提供し、伴走型の支援で成功へと導く。事業の本質を見極める鋭い視点と、実現可能な戦略を描く力に定評があり、多くのクライアントから信頼を寄せられている。